皆さんこんにちは!
栄達鋼業、更新担当の中西です。
“線”から“カタチ”へ🏗️
私たちは、ビルや工場、倉庫、商業施設などの“骨組み”となる鉄骨を加工する仕事をしています。
「鉄骨加工」と聞いても
なんとなく「工場で鉄を切ったり溶接したりしているのかな?」というイメージはあっても、
実際にどんな流れで仕事が進んでいるのかまでは、なかなか知られていないのではないでしょうか🤔
今日は、
鉄骨加工業とはどんな役割を担っているのか
工場の中でどんな工程が行われているのか
なぜ“精度”と“安全”がそこまで重視されるのか
といったことを、できるだけわかりやすくお話してみたいと思います✨
目次
家やビルは、見えている「外側の仕上げ」だけで建っているわけではありません。
その内部には、建物を支える骨組み=構造体があり、鉄骨造の建物ではその中枢を担うのが私たちの作る「鉄骨」です。
設計事務所やゼネコンが描いた構造図をもとに、
どんな形の柱が何本必要か
どの長さの梁がどこに入るか
どの位置で、どのように接合されるか
を読み解き、実際の“モノ”として工場で形にしていくのが鉄骨加工業の仕事です💪
言い換えれば、
「図面上の線を、現実の“鉄”の塊として生み出す仕事」
ともいえます。
ビルや工場の建て方の日、巨大な鉄骨がクレーンで吊り上げられていく様子を見たことはありませんか?
あの鉄骨一本一本は、ただの“鉄の棒”ではなく、工場での緻密な加工と検査を経て現場に届けられた“精密な部品”なんです😊
鉄骨加工のスタートは、まず図面から始まります。
構造設計が終わると、
構造図
鉄骨詳細図(ファブ図)
といった図面が送られてきます。
工場では、それをもとに👇
どの部材をどの長さに切断するか
どの位置に孔をあけるか
どの向きにプレートを溶接するか
といった細かい指示をまとめた「現寸・工作図」を作成します📝
最近では、3D-CADやBIMを活用し、
立体的に干渉チェックをしたり、部材ごとの情報をデータにしてNC加工機に送ったりすることも増えてきました💻
この図面作業の精度が低いと、その後の工程にすべて影響してしまいます。
ですから、**現寸担当は“工場の頭脳”**とも言われる重要なポジションなんです🧠✨
図面・データが整ったら、いよいよ鉄骨の加工が始まります。
H形鋼、角形鋼管、山形鋼、プレート…。
さまざまな形状の鋼材を、設計された長さ・角度にカットしていきます。
バンドソー
ガス切断機
レーザー・プラズマ切断機
などを使い分けながら、ミリ単位の誤差に抑えるよう加工します。
現場でボルト接合をするためのボルト孔をあける工程です。
NC孔あけ機を使って、図面通りの位置に正確に孔をあけていきます。
この孔位置がずれていると、現場で
「ボルトが入らない」「梁が入らない」
と大問題になるため、精度管理が非常に重要な工程です😣
溶接をする部分には、溶け込むスペースをつくるために「開先」と呼ばれる面取りのような加工をします。
この形状や角度も、溶接の品質を左右する重要なポイントです。
「ただ鉄を切っているだけ」のように見えても、
熱による歪み
切断面の粗さ
切断スピード
など、細かな条件を調整しながら**“溶接しやすく、歪みにくい素材”**として仕上げていきます🏭
切断・孔あけ・開先が完了したら、
次は組立(仕口・継手の組み立て)と溶接の工程です。
柱となるH形鋼に、柱頭・柱脚のプレートを組み付ける
梁にスチフナ(補強板)を取り付ける
接合部のガセットプレートを仮付け溶接する
など、各部材を図面どおりの位置・角度で仮り組みしていきます。
ここでは
“スコヤ”やメジャーでの確認
レーザー機器による直角・通りのチェック
などを行いながら、数ミリ単位の精度で「鉄骨の形」を出していきます📏
組み上がった部材に、本溶接を行います。
手溶接(被覆アーク溶接)
半自動溶接(MAG溶接)
サブマージアーク溶接
など、部材の厚みや形状に応じて溶接方法を使い分けます。
溶接は、鉄骨加工の中でも**「職人技」が光る工程**です✨
電流・電圧・速度
溶接棒の選定
溶接姿勢(下向き・横向き・立向き・上向き)
などを状況に合わせて調整しながら、
**強度と見た目の美しさを両立させたビード(溶接跡)**をつくっていきます。
鉄骨は、建物を何十年も支え続ける構造材です。
だからこそ、品質管理はなにより重要です。
長さ・高さ・幅
対角寸法
垂直・直角
などを図面と照らし合わせて細かくチェックします。
ちょっとした誤差でも、
現場で部材同士が合わない
柱や梁の位置がずれる
といったトラブルにつながるため、「工場で決める精度」が勝負です🎯
溶接部は、
外観検査(目視)
超音波探傷試験(UT)
磁粉探傷試験(MT)
などで内部欠陥がないかをチェックします。
見た目がきれいでも、内部に空洞(ブローホール)や溶け込み不足があれば、
大きな力がかかったときに破断する危険があります⚠️
そのため、溶接技能者の資格だけでなく、
検査技術者の資格を持ったスタッフが厳しく品質を確認していきます。
品質管理は、
「うるさいなぁ」と感じることがあるくらいでちょうどいい
と言われるほど、徹底が求められる世界なんです💡
検査に合格した鉄骨は、
必要に応じて防錆塗装を施されます。
素地調整(さび・油分の除去)
プライマー塗装
指定色の仕上げ塗装
などを行い、錆びにくく長寿命な状態にします🎨
その後、
部材ごとに番号をマーキング
現場での建て方順に合わせて積み込み
トレーラーや大型トラックで出荷
となり、いよいよ現場へと運ばれていきます。
工場としては、
「この柱は、あのビルの何階のどの位置に立つのか」
「この梁は、あの大空間を支える一本になるのか」
と、現場や完成後をイメージしながら、一本一本送り出しています😊
鉄骨加工の仕事は、
図面が複雑
寸法にシビア
重量物の取り扱い
と、決して楽な仕事とは言えません。
しかし、そこには他では味わえない魅力ややりがいもたくさんあります✨
ある日、家族とドライブをしているときに、
「このショッピングセンターの鉄骨、実はうちの工場で加工したんだよ」
と、ちょっと誇らしい気持ちになれる瞬間があります。
道路沿いの大きな看板、体育館、工場、物流倉庫…。
普段何気なく見ている建物の中に、
自分たちが手がけた鉄骨が使われている。
これは、ものづくりの仕事ならではの大きな喜びです😊
鉄骨加工は、
現寸担当
切断・孔あけ担当
組立・溶接担当
検査担当
塗装・出荷担当
など、たくさんの役割が連携して成り立っています。
一本の柱、一つの建物を完成させるために、
多くの人の技術が集まって一つの“作品”をつくり上げていく感覚があります🏗️
もしこの記事を読んでいる方の中に、
建設業に興味がある
ものづくりの現場で働いてみたい
自分の仕事の“カタチ”が目に見える職業がいい
という方がいれば、
鉄骨加工業はとてもおもしろい選択肢だと思います😊
最初は図面も、専門用語も、機械の使い方もわからないことだらけ。
でも、先輩について少しずつ学んでいくうちに、
図面が立体でイメージできるようになり
鋼材の“クセ”が分かるようになり
自分の溶接・組立に自信が持てるようになり
気づけば、
「あの現場のこの部材は、オレが担当したやつだ」
と言えるようになっていきます💪
鉄骨加工業は、建物の骨組みとなる部材を工場で精密に作り上げる仕事
図面の読み込みから始まり、切断・孔あけ・開先・組立・溶接・検査・塗装・出荷と多くの工程がある
すべては「現場でぴったり合う」「長年安全に使える」鉄骨を届けるための工夫
自分のつくった鉄骨が、街のランドマークや人々の暮らしを支える建物の一部になるのが大きなやりがい
これからも私たちは、一本一本の鉄骨に責任を持ち、
**“見えないところで建物を支える縁の下の力持ち”**として、
ものづくりの誇りを胸に仕事に取り組んでいきます🏗️✨
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